共有持分は放棄 できる!その時固定資産税はどうなる?

 

共有不動産を持っているけれど、そろそろ手放したい。
そう思っているあなたのために、本記事では共有持分の放棄について解説します。
共有持分が法律上どういう扱いになり、どういった税負担がかかってくるのかについて頭に入れておきましょう。

□「共有持分の放棄」の法律上の取り扱い

共有持分の放棄は民法上、誰かが共有者として管理できるのであれば放棄可能とされています。
従って、一般的な単独名義の不動産は所有権を放棄できません。

より具体的に持分放棄の取り扱いについてみていきましょう。

*放棄した持分は他の共有者に帰属する

放棄した共有持分の所有権は、他の共有者の所有物として扱われ、配分は共有者それぞれの持分比率と同等です。
従って、元から持分割合が大きい共有者は放棄された持分が多く分配されることになります。
例えば、共有不動産をAさん(60%)・Bさん(30%)・Cさん(10%)で共有していた場合に、Aさんが持分を放棄すると、Bさん:Cさんの比率が3:1なので、Bさんに75%、Cさんに25%分配、帰属されます。

*みなし贈与になって課税されるため注意が必要

共有持分を放棄すると、税法上は「みなし贈与」として扱われるため、共有された不動産を取得する方には贈与税が発生します。
ただし、この贈与税には年間110万円の基礎控除のような制度があるため、活用次第で節税可能です。
詳しくは、税理士のような専門家に相談することをお勧めします。

*相続前の共有持分を放棄できる

すでに所持している共有持分以外にも、相続前の共有持分も放棄可能です。
しかし、この場合は持分放棄とは呼ばず、「相続放棄」の手続きを踏むことになります。

□固定資産税

共有持分の放棄には固定資産税も関わりがあります。
持分放棄には他の共有者からの協力のもと、共有持分移転登記を行ってもらう必要があります。
仮に他の共有者が協力してくれなければ、共有持分を放棄できません。
そして、固定資産税が台帳課税主義であることから、放棄したはずの共有者も固定資産税を支払い続けなければならなくなります。

この場合、登記引取請求訴訟を利用し共有持分の移転登記を済ませてもらいましょう。

□まとめ

共有持分の放棄は民法上、誰かが共有者として管理できるのであれば放棄可能とされています。
その上で、放棄した共有持分は他の共有者に帰属されることや相続前から共有持分を放棄できること、共有持分移転登記が行われなければ固定資産税を支払わなければならないことなどについてみてきました。
ぜひあなたの意思決定の参考にしてください。

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