人生には出会いもありますが、別れもあります。
結婚したときは想像していなかった離婚も、現実を帯びてきたというケースは少なくありません。
では、夫婦で作ってきた財産は離婚したらどうすれば良いのでしょうか。
今回は、共有名義の物件を放棄するべきかどうかについて解説します。
□離婚時に共有名義の物件はどうするべき?
夫婦の共有名義の物件は離婚後もそのままの状態にしておくことも可能ですが、そのままにしておくことは以下のデメリットを生み出します。
*離婚後も夫婦の関係を断ち切れない
共有名義の場合、売却や賃貸などの重要行為だけではなくリフォームをするにしても他の共有者の同意が必要です。
そのため、離婚後も物件に関して協議の連絡をしなければならないため、関係をなかなか断ち切れないことになってしまいます。
*物件が放置された状態になる
相互の意見を尊重して円満に離婚をしたとしても、元夫婦が協力して物件を管理することは難しい場合がほとんどです。
同意を得られないという段階の前に協議が進まないことも多く、その結果、物件が放置されることにもなりかねないのです。
*維持費がかかる
不動産を所有していると、固定資産税が毎年かかります。
以上のように、自分の思い通りに物件を活用できない、物件が放置された状態であるという場合でも維持費がかかってしまうのです。
また、固定資産税は分割するのが原則ですが、どちらかが払わないとさらなるトラブルに発展する場合もあります。
□共有名義の物件を放棄するには?
共有名義を放棄するにはさまざまな方法がありますが、比較的トラブルに発展しにくい方法は以下の2つです。
1. どちらかが買い取る
どちらかが相手の持分を買い取って、その後1人で物件を所有する方法です。
仕事やお子さまの学校の関係で引っ越しが難しい方によく選ばれます。
所有者の名義変更の登記には登録免許税がかかりますが、この登記をしないと後のトラブルにつながるので、必ず完了させておきましょう。
2. 物件を売却して代金を分割する
どちらも住み続けないという場合によく選ばれる、物件を売却し、売却して得たお金を2分割する方法です。
共有名義のまま売却できるので名義変更の必要はありませんが、2人で最後まで手続きをしなければなりません。
2人での手続きが難しい場合は、弁護士を立てて売却を進めることもできます。
□まとめ
共有名義はそのままにしておくと、金銭的にも精神的にも負担がかかる恐れがあります。
共有名義のままの選択肢もありますが、その選択をする場合は今回紹介したデメリットに気を付けましょう。
共有名義を解消する場合は2人で手続きを完了させて、スッキリとした気持ちで次の人生に進めるようにしましょう。