共有持分を放棄する方法とは?税金は贈与の場合と異なる?

 

不動産を手放すことは、税金や手続きなど考えることが多いため、大勢の方にとって頭の痛い問題です。
特に、その不動産が共有名義の場合、名義人の間で調整する必要が生まれるため、より複雑に感じてしまいます。
この記事では、共有持分を放棄する方法と、贈与と放棄の税金の違いについてご説明します。
放棄を考えている方や、そうした方と共有名義人になっている方はぜひご覧ください。

□共有持分放棄の仕方

*他の人の協力が得られるとき

共有持分を放棄する際、他の名義人の協力が得られるのであれば、所有権移転登記をしましょう。
他の名義人に相談するだけでなく、書類上の手続きを行う必要があるのです。
この際、必要となる書類は、放棄する人と他の名義人との間で違いがあります。

放棄する人は、身分証明書や印鑑証明書、実印、登記識別情報などが必要です。
一方、他の共有者は、身分証明書や住民票、認印などが必要です。
また、登録免許に関する税金の支払いが必要なことに、注意しましょう。

*他の人の協力が得られないとき

他の共有者の協力が得られなくても、場合によっては共有持分を放棄できます。
そうするためには、登記取引請求訴訟で訴えが認められる必要があります。
この方法には費用や時間が少なからずかかるため、可能であれば当事者間で話し合って解決すると良いでしょう。

□「贈与」か「放棄」かで税金は異なる?

贈与の場合には二重課税される一方で、放棄の場合には二重課税されません。
贈与税については、相続税法で放棄も贈与と一緒にされることから、どちらの場合も課税されるため違いは生まれません。
違いは、家の取得費用の扱いが、書類上では異なることによって生まれます。

贈与されたものを受け取った際には、贈与した人がその家を買った日にちや取得費用がそのまま適用され、変更されません。
しかし、放棄されたものを受け取った際には取得費用が変更され、贈与課税時の時価となるのです。
このことが、家を売った際の収入から取得した時の費用を引いた、譲渡所得の値を変化させます。
贈与の場合、取得した時の費用が変更されないため譲渡所得が生まれてしまうのです。
それにより、譲渡所得にかかる税金の支払い義務が生じてしまいます。

□まとめ

共有持分の放棄は、共有名義人の協力の有無によって方法が異なります。
協力があれば、それぞれに必要な書類を揃えて、所有権移転登記をしましょう。
議論を重ねても協力が得られなければ、登記取引請求訴訟をすることで放棄が認められる可能性があります。
家の取得費用の違いから、譲渡の場合は譲渡所得に税金がかかります。
そのため、譲渡においては二重課税されてしまうのです。

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