不動産を売買する際、売主は買主に対してさまざまな責任を負います。
その中でも特に重要なのが、瑕疵担保責任です。
これは、不動産に隠れた欠陥があった場合に、売主がその責任を負うというものです。
しかし、この責任には多くの売主が不安を感じており、無用なトラブルを避けたいですよね。
この記事では、瑕疵担保責任についての基本知識と、売主が取るべき具体的な対策を解説します。

□瑕疵担保責任とは？売主が知るべき基本知識

瑕疵担保責任とは、不動産売買において、売買された不動産に隠れた欠陥があった場合に、売主が買主に対して負う責任を指します。
この責任により、売主は以下のポイントに注意する必要があります。

1:無過失責任

瑕疵担保責任は無過失責任とされており、売主が過失がなかったとしても、隠れた欠陥について責任を負うことになります。

2:買主が請求できる内容

瑕疵が発覚した場合、買主は損害賠償や契約解除を請求できます。
その範囲は瑕疵の重さによって変わります。

3:請求期間

買主が瑕疵を知った日から1年間、瑕疵担保責任を請求できます。
この期間を過ぎると請求権は消滅します。

□不動産買取で瑕疵担保責任を回避する具体的対策

不動産買取において瑕疵担保責任を最小限に抑えることは、売主にとっても買主にとっても重要な課題です。
この責任を軽減するためには、あらかじめ具体的な対策を講じることが必須となります。
以下にその有効な方法を解説します。

＊正直な告知

不動産取引において、信頼関係の構築は非常に重要です。
売却予定の不動産に何らかの瑕疵が存在する場合、それを隠すことなく正直に不動産会社や買主に伝えることが求められます。

また、正直な告知は法律によっても義務付けられており、売却過程での「告知書」の提出がこれを裏付けます。
この告知書には、過去に発生した雨漏りやシロアリ被害など、購入者が知るべき情報が記載され、正直に情報を伝えることで、将来的に瑕疵担保責任を問われるリスクを軽減できます。

＊ホームインスペクションの実施

不動産の状態を正確に把握し、買主に適切な情報を提供するためには、ホームインスペクションの実施が効果的です。
この建物状況調査は、外壁や基礎の劣化状況、補修が必要な箇所を専門の診断士がチェックし、その結果を確認証明書として提供します。

＊瑕疵保証サービスへの加入

瑕疵保証サービスは修繕費用といった負担を保証し、万が一の際にも売主と買主のどちらも守れる安心材料となります。
保証対象は、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防ぐための部分をはじめ、物件の重要な箇所に限られ、保証期間や支払い限度額には各保証サービスによって条件が設けられています。
このように、瑕疵保証サービスに加入することで、不動産取引の安全性を高め、双方にとって納得のいく取引を実現できます。

□まとめ

瑕疵担保責任は、不動産売買において避けて通れない重要な責任です。
しかし、上記のような対策を講じることで、そのリスクを大幅に軽減できます。
不動産売買を安全に進めたい売主は、これらの基本知識と対策をしっかりと理解し、適切な対応を心がけましょう。