不動産買取と重説のはなし:必要性とその特例

 

不動産取引を行う際、重要事項説明書は欠かせない書類の一つです。
しかし、すべての取引で重要事項説明書が必要とされるわけではありません。
特に、個人が不動産を売却する際に仲介会社を介さない場合、重要事項説明書の準備は不要とされています。

とはいえ、不動産取引におけるトラブルを防ぐためには、重要事項説明書が不要なケースでも準備しておくことが賢明です。
本記事では、宅建業者が買主となる場合の重要事項説明書の必要性について解説し、安心できる不動産取引の進め方をご提案します。

□重説はいつ必要?不動産買取取引の基本を解説

宅建業法上、仲介業者が入らず、売主が一般消費者である個人、買主が宅建業者となる取引においては、重説は不要とされています。
その理由は以下の2点が挙げられます。

1: 買主である宅建業者が自分自身に対して重要事項説明をする意味がないこと
2: 宅建業法35条では、宅建業者が取引の当事者となる場合、宅地建物の売買の相手方に対し、その者が取得しようとしている宅地建物に関して、宅地建物取引士をして重要事項の説明をさせなければならないとなっているが、売主は取得しようとしている宅地建物がないため、重要事項説明書は不要であると考えられること

ただし、通常、重要事項説明書に記載している供託所に関する説明は、根拠条文が異なる(宅建業法35条の2)ので、別途相手方に説明する必要があります。
また、宅建業法37条書面(売買契約書)については、売主に対して交付する必要があります。

一方、仲介業者が入る場合や売主が宅建業者である場合は、買主が宅建業者であっても重要事項説明書の交付が必要となります。
ただし、買主が宅建業者の場合は、宅地建物取引士による説明を省略することができます(平成29年4月1日~)。

□なぜ重説が不要なのか?2つの特例

重要事項説明書が不要とされるケースは、主に以下の2つです。

1: 個人が不動産を売却する際に仲介会社を介さない場合
2: 買主が宅建業者で、売主が一般消費者である個人の場合

これらのケースでは、買主からの重要事項説明書交付の要望を断っても問題なく不動産取引を進めることができます。
しかし、トラブル防止のためには、重要事項説明書が不要な場合でも準備しておくことをおすすめします。

準備しておくべき理由は以下の通りです。

1: 不動産の詳細情報を書面で確認できる
2: 取引条件を明確にできる
3: 売主と買主双方の認識齟齬を防ぐことができる
4: トラブル発生時の証拠書類となる

また、売主側が重要事項説明書の内容説明を面倒に感じて説明拒否をするケースもありますが、不動産売却の取引契約後に重要事項説明書の内容に不備や隠蔽があった場合は、契約解除になるだけでなく損害賠償の義務を負う可能性があります。
トラブルなく不動産取引を行うためにも、重要事項説明書の内容を売主にも説明してもらえるように、事前に会社に伝えておくことが大切です。

□まとめ

本記事では、宅建業者が買主となる場合の重要事項説明書の必要性について解説しました。
仲介業者が入らず、売主が一般消費者である個人、買主が宅建業者となる取引では、重要事項説明書は不要とされています。
一方、仲介業者が入る場合や売主が宅建業者である場合は、買主が宅建業者であっても重要事項説明書の交付が必要です。

また、重要事項説明書が不要なケースでも、トラブル防止のために準備しておくことをおすすめします。
不動産取引におけるトラブルを未然に防ぎ、安心して取引を進めるためには、重要事項説明書の内容を両者で確認し、認識の齟齬がないようにすることが肝要です。

不動産取引に不慣れな個人の方も、本記事を参考に、重要事項説明書の必要性を理解し、円滑な取引を目指してください。

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